老犬介護で一番大切なのは
 飼い主さまが「がんばりすぎない」こと

   

愛犬への愛情ゆえに自分を追い詰めすぎていませんか?

たくさんの幸せな時間を一緒に過ごしてきた大切な大切な愛犬。
できることなら何でもしてあげたい。
残された時間はあと少しなのだから、自分のことは後回しでいい。
そんな気持ちは痛いほどよくわかります。
 
でも、老犬介護って決して楽なことではありませんよね。
 
愛犬に認知症状がみられるようになった場合。
夜中に鳴き止まない。徘徊がひどく目が離せない。お世話する飼い主さまは慢性的な睡眠不足に陥ってしまいます。
また寝る間も惜しんで懸命に介護に取り組んでいるのに、脳の障害によって愛犬に噛まれてしまい大きなショックを受けることも。 老化のせいだとわかっていても報われない気持ちになるでしょう。
 
愛犬が寝たきりになった場合。
大型の子の場合には、寝返りひとつさせるだけでも大変な労力が必要になります。
外でしかトイレをしない子の場合には、ハーネスで補助が必要になりますが、スムーズに排泄できることばかりではありません。長時間、もしくは頻繁にハーネス補助をすることで、飼い主さまの体力は消耗していきます。
 
その他にも、夜鳴きによってご近所との関係が悪化したり、ご家族がちっとも手伝ってくれずにいさかいになったり、、、。
 
 
犬を飼うなら、最後まできちんと世話をすることは当然」
それは確かにそうです。
無責任に、その義務を放棄してしまうような人に、犬と暮らす資格はありません。
 
ただ、以前に比べて犬の寿命は飛躍的にのびました。
そのことにより老犬介護に必要な労力が大幅に増加したことは事実です。
「完璧な介護」を目指してしまうと、息切れしてしまうのは当然なのです。
 
 

老犬介護による飼い主さまのストレスが問題になってきています

ちょっとしたストレスなら時間とともに自然に解消されていきますが、今のストレスが解消されないうちに次のストレスがやってくると少しずつ蓄積がはじまります。
その蓄積とともに、愛犬の老化現象が進行してしまうと、最終的には行き詰まってしまいます。
 
現在、介護ストレスが大きくなりすぎて、精神的に参ってしまう飼い主さまから多くのご相談をいただいております。
そういった方は、ほぼ例外なく「誠実で、真面目。愛犬に対して深い愛情を持っており、周囲の人への気配りも欠かさない。」性格を持っていらっしゃいます。
 
いつでも、どこかに罪悪感をかかえていませんか?
我慢を重ねすぎて、感情がなくなったような気持ちになることはありませんか?
逆に、感情の起伏が大きくなりすぎていませんか?
大切な大切な愛犬なのに「この子がいなくなってくれれば」なんて気持ちがふとよぎることはありませんか?
 
それらはすべて心身的なストレスが原因なのです。
どうぞご自分を責めないでください。
そのストレスの発生元は、大きな大きな愛情なのですから。
 
すこし無理をしすぎているかもしれない、そう感じたら、まずは深呼吸。
そして、小さな声でもいいので、こう唱えてください。
 
「この子のためにも、がんばりすぎない」
 
 

完璧を求めるよりも継続

最後の日はいつくるかわかりません。
だからこそ、全力を尽くしたいという気持ちになってしまうのもわかります。
でも見方を変えると、最後までしっかりと老犬の介護を継続していくためには、気持ちの上でも身体的にも飼い主さまの余力が必要です。
万が一、睡眠不足やストレスで、飼い主さまが倒れてしまったら、、、、。
一番困るのは飼い主さまを必要としている大事な愛犬なのです。
 
また、犬は人の気持ちに強い共感性を示します。
甲斐甲斐しく世話をしてくれても、大好きな飼い主さまが辛そうだったり、悲しそうだったりしたら、愛犬の気持ちはどうなるでしょう?
大切な時間だからこそ、いっしょに苦労も分かち合いつつも、笑顔で過ごしたくありませんか?
 
これまでの日々を思い出してください。
愛犬に救われた時間がたくさんあったのではないでしょうか?
我が子のような愛犬であっても、パートナーとして頼りにしている部分もたくさんあるのではないでしょうか?
 
少しだけ、愛犬に甘える時もあっていい。
愛犬は一時的に不機嫌になるかもしれないけれど、根っこの部分ではわかってくれています。
 
ともに無理がない程度にがんばって、たまには相手に甘えて。
 
信頼と絆に裏打ちされた良い意味での「適当さ」で
飼い主さまにとっても愛犬にとっても幸せな日々を過ごしていただきたいと心から願います。