認知症状による鳴きの問題

   

原因も経過もさまざまな鳴きの問題

運動機能や認知機能に問題が生じると、それに伴い鳴きの問題が生じることがあります。初期症状が軽いものの場合、人よりも先にワンちゃんが異常を感じ、鳴きが頻繁になることで異常に気づくこともよくあります。
愛犬に対する心配、これから先の不安、それに加えて近所迷惑になる可能性がある鳴きの問題。老犬介護において、この時期が一番きつかったとおっしゃる飼い主さまは数多くいらっしゃいます。
 
この鳴きの原因はいくつか考えられます。
 
具体的な要求があり鳴いてしまうケース
お水が飲みたいのに、どこにあるのかわからない(認知できない)。飼い主さまがそばにいるのに、いることがわからないので鳴いて呼ぶ。
こういった場合には要求を早めに察知して、叶えてあげれば鳴きは収まります。
ただ頻繁に要求が生じると、お世話も大変になるでしょうから、お水をいれる器の大きさや数、色などその子が気づきやすい環境を整えてあげるのも大切なことです。
またお部屋のなかでどこかにはまってしまうと身動きが取れなくなり鳴いてしまうこともよくありますので、目を離すときにはサークルに入ってもらったり、家具の配置を変更してはまりやすい場所を無くしたりしましょう。
 
自分の身体の異常に不安を感じているケース
今までと身体の状態が違うことはワンちゃんに大きな不安を引き起こします。
その不安で居ても立ってもいられずに鳴いてしまうケースもよくあります。こんな時にはなるべく寄り添ってあげましょう。人のぬくもりを感じるだけで落ち着いてくれることもよくあります。
また性格にもよりますが、身体の衰えに慣れてきて、徐々に納得してくれる子もいます。比較的、若いうちから基本トレーニングを行っていて、「待て」などの指示に従える子の場合はがまんする習慣ができているため、納得するまでの時間が短い傾向があります。
 
理由なく鳴いてしまうケース
認知症状は脳、つまり神経の障害により生じます。それゆえ、鳴く必要がないのに、神経が勝手な命令をだして鳴いてしまうケースもあります。
この場合、鳴いている理由を取り除いてあげることが残念ながらできません。またその子も鳴きたくないのに、くたくたに疲れてしまうのに、ゆっくり眠りたいのに、自分の身体が勝手に動いてしまうという辛い状態になってしまいます。
こういう時には、睡眠薬や安定薬などの使用を検討しましょう。
薬で眠らせることに大きな抵抗を感じられるかもしれませんが、一日の中で少しでもゆっくり休める時間を作ってあげないと、ワンちゃんの体力も気力も衰弱してしまいます。
その子のためにも、ためらうことなく動物病院に相談してみましょう。
LinkIcon参考記事:睡眠薬や抗不安薬を使用すべきケース
 
 
 
上記の原因がいくつか混在する場合もありますし、時期によって変遷していく場合もあります。一日中、鳴きが止まらないような時には、飼い主さまの心理的・身体的疲労もかなりのものになりますので、時には専門施設に一時的に預けたり、お薬を使ったりして、ストレスをためすぎないようにしていきましょう。また最近では老犬専門のペットシッターさんも増えてきましたので、一時的にお世話してもらうのもよいでしょう。
 
在宅の老犬介護は続けることが何より大切。愛犬のためにもお世話する飼い主さまがギリギリの状態になることは禁物です。何でもしてあげたい、すべてを犠牲にして尽くしてあげたいお気持ちは素晴らしいものですが、どうか無理しすぎないでくださいね。